❤︎北京留学博客

北京留学から帰国。中国とその他海外ネタ

【現地リポート】天安門事件から30年・2019年6月4日の天安門広場

大家好!

 

約2か月ぶりの更新となってしまいました。

1年間の留学生活も大変早いもので、6月中旬に中国での授業・テストがすべて終了し、それから旅行などをして7月7日に帰国しました。

留学の総括や旅行など、ブログネタはたくさんあるのですが、今回は日本に帰ったらいち早く記事にしたかったことを紹介します。

 

 

さて、もう一か月半ほど前になってしまいましたが、6月4日は何の日かご存知でしょうか。

 

中国政府が民主化を求めた人民に対して武力を用いて鎮圧した、天安門事件が発生した日です。

この天安門事件は1989年6月4日に発生したもので、つまり今年で事件発生からちょうど30年だったのです。節目の年ということで日本のメディアでも大きく取り上げられていたのではないでしょうか。

 

ちょうど今年の6月4日は北京に留学中であったため、天安門へ足を運んできました。

今回は事件から30年を迎えた天安門広場の様子をお伝えします。

 

もくじ

  1. そもそも天安門事件とは
  2. 普段の天安門と比較して
  3. まとめ

 

そもそも天安門事件とは

f:id:beijingryugaku:20190722183611p:plain

 

天安門事件に関しては詳しくまとめられたサイトがいくつも存在しますので、ここでは簡単な概要のみを説明します。

 

天安門事件とは、1989年6月4日に天安門広場において民主化運動に参加していた人民を言葉の通り戦車で轢いて鎮圧した事件です。

中国共産党にとっては最大のタブーとされており、中国国内のインターネットでは事件に関する情報を得ることができません。また、死者数に関しては中国当局の発表と海外の人権団体などの見解では大きく差があり、議論がなされています。

 

普段の天安門と比較して

ここからは2019年6月4日の天安門広場の様子について、普段の様子と比較してお伝えします。

  • 入場に時間がかかる

今年の6月4日は平日で、筆者は授業が終わってから向かったため天安門広場に着いたのは16時を過ぎており、故宮や国家博物館にはもう入場できない時間になっていたのですが、それでも混雑していました。いや、人が多くて混雑していたというよりも、入場時のセキュリティーチェックが大変厳しくなっており、大行列ができていたと言ったほうがいいのかもしれません。

 

天安門広場入場時のセキュリティーチェックは身分証明書の確認(外国人ならパスポートを提示)→荷物をX線に通す→簡単なボディチェックという流れになります。

 

まず、普段の天安門広場入場時のセキュリティーチェックについて説明します。

パスポートを提示すると顔写真ページをチェックされます。係員によってはパスポートの表紙を見せるだけで中身はろくに確認せず、はいどうぞーとどんどん進ませてもらえます。荷物検査やボディチェックも空港のように厳しいものではなく、むしろ適当過ぎない?こんなんで大丈夫?と思ってしまうほど簡単に済まされます。

 

しかし、6月4日のセキュリティチェックはパスポートの顔写真のページはもちろんのこと、ビザが貼り付けられたページまでしっかりと確認されました。記者やジャーナリストと思われる人物はここで弾かれるのでしょうか。

パスポートチェック後、荷物検査に進むのにもいつもより時間を要しました。普段はスイスイ進めてしまうのですが、この日は係員のGOサインがあるまで進めませんでした。

また、学校から直接向かったためカバンにテキストが2冊ほど入っていたのですが、荷物検査ではテキストの中身まで確認されました。中国では地下鉄や博物館、有名観光地など、至る所で入場時にセキュリティチェックが行われていますが、本の内容までチェックされたのは初めてでした。

 

また、並んでいる間に中国人が『なんで今日はこんなに並んでいるの?』と言っているのが聞こえてきました。

先述したように中国共産党にとってこの事件は最大の汚点であり、中国が情報統制を行っているということはご存知の方は多いでしょう。百度で天安門事件に関連するキーワードを検索しても本事件に関する情報は一切出てきません。しかし、情報統制を行っているにもかかわらずVPNの利用は実際にはほとんど取り締まられていないようです。スマホを紛失して中国人にスマホを借りた際にはVPN接続済みのマークが付いていましたし、インスタグラムでは時々中国のカフェやバーなど、お店が持つアカウントからフォローされます。そのため多くの中国人がグレート・ファイアウォールを超えてGoogleなどを日常的に利用しており、天安門事件に関しても中国国内では口を閉ざしているだけであって、実際には事件を知る中国人は少なくないのではと考えていました。

話を戻しますが、『なんでこんなに並んでいるの?』は混雑した列の後方から聞こえてきたため、これを発した人がどのくらいの年齢の人なのか、都会の人なのか地方からの観光客なのか、顔すら見ていないため推測はできません。また、本当にこの人が事件を知らないのか、事件のことは知っているけれどもただ単に今日が30周年の日ということを忘れていただけなのか、もしくは事件を知らないふりしてわざと発した言葉だったのか、発言の意図を確認する術はありませんが、『なんで今日はこんなに並んでいるの?』という発言には未だ自分の中で疑問が残っています。

 

  • 外国人が多い

天安門広場の付近には天安門や故宮を始め、国家博物館、人民大会堂、中山公園、毛首席記念堂などの北京の観光地と言える施設が数多く集まっており、中国人に限らず外国人観光客の姿も普段からよく見かけます。

しかしながら、天安門事件から30年となるこの日は特に外国人観光客が多いように感じられました。

一般の外国人は問題なく入場できましたが、記者などはやはり追い返されたそうです。

当局の厳しい規制によって現場での追悼や抗議活動はなく、広場の入り口にある検査場では海外メディアの記者らが足止めされ、追い返されていた。

出典元:産経新聞ー天安門事件30年 中国当局が「追悼」封じ込め 透析患者を山間地で軟禁も 

 

  • 中の様子はいつも通り

厳格なセキュリティチェックを経て入場しましたが、天安門広場の様子はいつもと変わらない様子でした。記念撮影をしていたり、中国人であれば中国国旗を持って歩いていたりと普段とは全く変わりません。また、入場するのにかなり時間を要したため中も混雑しているのかと思いきや、広場に入るとそうでもありませんでした。

香港や台湾、日本など近隣では追悼式典が行われましたが、中国本土においては当然ながら追悼式典なども行われておりませんし、政府に対する抗議活動をする人もいません。

天安門広場内には普段から警備員が数多く配置されており、いつもより特段に警備員が多いとは感じませんでした。

 

まとめ

事件から30年にあたる2019年6月4日の天安門広場のセキュリティチェックは普段よりも大変厳格なものになっていました。しかし、中国政府からすればなかったことにしたい出来事ですから、天安門広場内に入れば普段と変わらない様子でした。当然ながら犠牲者を偲ぶ追悼式典は行われていませんし、抗議活動をする人もいません。

ただ、列の後方から聞こえてきた『なんで今日はこんなに並んでいるの?』という発言はやはり今も引っかかるものがあります。先述したようにこの発言の意図を発言者に問うことはできませんし、一般の中国人に天安門事件に関することを簡単に聞き出せるわけでもないので答えを導き出すのは容易ではありませんが、平然を装いたい中国政府は本当に平然を装い切れているのか、今後考えていきたいテーマになりました。

 

ブログ開設以来、北京での留学生活や中国グルメ、カフェなどについて紹介してきました。留学が終了して帰国しましたが、今後も中国関連の情報を発信していきます。ぜひ読者登録をお願いいたします。

 

にほんブログ村 海外生活ブログへ

にほんブログ村 海外生活ブログ 北京情報へ

にほんブログ村 グルメブログ 中国食べ歩き(チャイナ)へ